父親スナップ

GRにドはまりした父親。日々生きるのに必死。子育ても大変。

いきなり否定されたらいやだもんね、という話

RICOH GRⅢ

娘が「どんぐり探す」といって公園を歩き出した。私は「おっけー」といって一緒に歩き回る。

 

どんぐりっていつまで落ちているものなんだろう?パッと見渡す限り公園にはどんぐりはなさそうである。あれって秋じゃなかった?真冬にあるっけ?

 

そういった言葉はぜんぶ飲み込む。

 

娘はずんずん公園を進んでいく。

 

前はあの木の下にあったから見に行ってみようか。

いいよいいよ。

パパ、ここ高いから娘ちゃん登れないのよ、抱っこして

ほいほい。ここにあるかな?

あるかな?あるかな?あったらいいな~

 

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結局どんぐりはなかった。

 

一通り公園を全部歩き回った娘は「どんぐり、ないみたい」と結論づけた。私も「そうみたいだね」と返す。

 

娘ちゃん、もしかしたら寒すぎてどんぐりの時期おわっちゃったのかもしれないね。

そうね。

前はここらへんにたーくさんあったのにね。

前はたくさんあったよね!ここにばーってたくさんあった!

 

ひとしきりたくさんのどんぐりを想像して興奮したあと、娘はあっさりと「シャボン玉やろっか」と次の遊びへと移っていく。

 

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いきなり会話を否定から始められたらイヤだもんね、ということは私が友人と子供の会話を聞いていて気づいたことだった。

 

その友人はどんなこともまずは「へ~そうなんだ」と受け止めていた。例えそれがどんなに突拍子もないことだったとしても、まずは「あ、そうなの?」と返す。ちゃんとあなたの言ったことを受け取ったよ、と返すのが絶妙にうまかった。

 

例えば保育園のお迎え時にいきなり子供が「今からディズニーランドに行きたい」と言い出す。「え、それは無理よ」と返したくなるが、友人は「あ、そうなの?ディズニー?」とまずは返す。続いて「ディズニーで何したいの?」と聞く。「ベイマックスのる!」と子供。「ベイマックスか~、あれいいよなぁ。でも今日はちょっともう夜だから今から行くの厳しいかもしれないなぁ」「え~」「今度いつ行くかママとも一緒に相談しよっか~」「うん!」

 

穏やかな会話だな、というのが友人の会話の特徴だ。

そして会話が続いていく。子供がぐずることが少ない。

 

「ディズニーいまから行きたい」「無理よ!」というのは会話というよりは主張の応酬だ。行ける/行けないでいえば、「行けない」で確定なわけだが、そこに行き着くまでに会話するかどうかだなぁと思う。

 

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先日保育園にお迎えにいったら、娘とその友達が駆け寄ってきた。「ねえねえ見てみて!今日公園でどんぐり拾ったの!!!!」

 

え、まじで?この前ネットで調べてみたら、どんぐりは11月下旬くらいまでって書いてあったけど、と思って2人が差し出しているビニール袋を見ると、葉っぱと土にまみれたボロボロのどんぐりが大量にはいっていた。

 

あ、、、埋まりかけていたやつ掘り起こしたのね…。

 

横でみると娘の友達のお母さんが疲れ切った顔でそのビニール袋を見ていた。

…わかります。このどんぐり、このあとどうすんねん…。

どうしましょうね、と2人で笑い合ってから、それぞれの子供からどんぐり発見までの冒険譚を聞くことにした。

 

そんなお話。

 

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